フィードバックを求める若者

以前のプロジェクトで一緒になったO君が「僕の仕事のやり方のどのあたりを改善したらよいのか教えてほしい」と言うので、一緒に昼ご飯を食べながら話した。O君は新卒でコンサル2年目である。一般的に、新卒コンサルで不幸だと思うのは、事業会社であれば当然OJTで習う雑用の数々をほとんど経験していない点。普通は雑用をこなしながら社会人のイロハを学ぶものなのだが、新卒コンサルにはその過程がないのである。結果、雑用にこそ成長の糧が眠っているということを知る機会がなく、そして雑用を進んでこなすフットワークの軽さも生まれてこない。初めからパーティションに仕切られた静かなオフィスで仕事をするため、職場でのコミュニケーション、上司との距離の取り方も上達しづらい環境にあることも影響しているのだろうか。密度の濃いプロジェクト・ワークを通じて特定業界に関する知識が飛躍的に増えたり、エクセルやパワポの操作が常人以上になったり、ロジカルシンキングが身についたりしてコンサル屋として急成長するのは真かもしれないが、一方で犠牲にしていることも多いのではないか。そんなことを考えながら、「ホウ・レン・ソウを心がけること」「メールではなくできるだけフェース・トゥ・フェースのコミュニケーションを取ること」「雑用は喜んで引き受けること」としごく当たり前のアドバイスをした。