日曜開店効果

我が家の近所に昔ながらの商店街があり、洋品屋、着物屋金物屋電気屋など、どうやって売上を立てているのか分からない店が軒を連ねているが、その中で一二を争う売上を得ているであろうクリーニング屋がある。このクリーニング屋、この前までは日曜・祝日休業だったのだが、最近、日曜・祝日も営業するようになった。傍目から見ている限り、この戦略はかなり当たっており、相当程度集客できているようだ。

昔ながらの、旦那が会社へ行き、奥さんが家を守るという伝統的な家族であれば、平日に奥さんが旦那の洗濯物をクリーニング屋へ持って行き、そして受け取ってくることが自在にできたのだろうが、今や、共働き家庭は相当多いし、我が家の近隣にはワンルームマンションもニョキニョキと建っており、独身者も多い。そうすると、平日にクリーニング屋へ行く暇もなければ気力もない。土曜日が唯一のチャンスなわけだが、何らかの都合で行けないと、相当困ったことになってしまう。一方で、土日の両方とも開いていれば、どこかで立ち寄るチャンスはできるし、急いでいれば、土曜日の朝出して日曜日の夕方に受け取るなんてこともできてしまう。

こういうニーズにようやく気づいたのか、このクリーニング屋はバイトを新たに雇って日曜・祝日開店に踏み切ったようなのだが、洗濯物のピックアップ率が高まり、クリーニング屋内に滞留しているものが少なくなったという副次的効果も出ているようだ。この商店街の他の店ももうちょっと周りに目を向けてみればいいのにとも思うのだが、これはなかなか難しいリクエストか。