親米か親中か

わざとタイミングを合わせたわけではないのだろうが、小沢ご一行様訪中、副主席の天皇陛下との面会実現など親中的なイベントが続く一方で、普天間問題の解決延期など米国に対する冷たい対応が同時発生しており、民主党が親中路線に大きく舵を切っているようにも見える。リーマンショック以降加速しているようにも見える米国の衰退傾向と、中国の留まらぬ躍進という対照的な状況の中で、地理的に近くて勢いのいい方に付くのは、挾間にある国として当然の行動なのかもしれない。一方で、日本が中国から独立できているのは近代に入ってからほんの100年強だけであり、それまではずっと中国の陰に怯えてきた歴史を振り返ると、その脅威に対抗するためには、いくら凋落傾向とはいえ依然として世界最強国である米国の後ろ盾が必要、いや更に関係を強化していかなければならないという考え方もまた正しいように思える。

理念的には、こういう場合、両国を天秤にかけながらおいしいとこ取りするというのが正しそう。これまでとみに親米路線で来ただけに、少し親中的な動きをみせて米国を焦らせるというのは、意識してはいないだろうが意外といい戦略かもしれない。