銚子行

これまで銚子というところへ行ったことはなかったのだが、あの房総半島のとがった部分はどうなっているのだろう?漁港で有名だからおいしい魚があるのでは?という純粋な好奇心から行ってみた。都内から行くと実は結構遠い。途中、成田よりもちょっと向こうまでは東関道でスイスイと行けるのだが、そこから先が狭い一般道しかなく、なかなか時間がかかる。銚子に近づくに従っていわゆる最果て感が充ち満ちてくる。さすがに銚子駅近辺は整備がされていてそれなりに賑わっているが、若者は圧倒的に少ない。小中学校の建物がいずれもかなり大きく、またちょっと古めの水商売系の店も多いことが、かつては漁業の街として栄えていたことを思わせてくれる。

さて、魚がどこにあるのだろうと、銚子漁港の方へ向かうと数軒の直売りの魚屋さんが。三崎漁港のような華やかさはまったくない。魚屋の1軒を覗くと、何と東京だと4,000〜5,000円くらいするようなおろしたてのマグロの切り身が1,000円で売っている。持つとずっしり重く、1日では食べきれない分量である。おばちゃんから「この部分は刺身で、この部分はステーキにして食べるとおいしい」などと教わり、保存用の氷と一緒に袋に入れてもらう。大漁である。これだけでもはるばる銚子まで来た甲斐があったというもの。

帰りは利根川を渡って茨城側から。さすがに板東太郎の河口部は、欧米の河川も顔負けのものすごい川幅である。なぜか茨城側の方が道が良く、高速道のインターまで幅の広い道がずっとまっすぐに続く。鹿島の臨海工業地帯があるからなのだろうか、それとも茨城の方が財政的に豊かなのだろうか。