戦略プロフェッショナル

三枝匡さんの「戦略プロフェッショナル」を読んだ。ご本人の経験談が入っているのかもしれないが、某製鉄会社から子会社の製薬会社に志願して出向し、その経営のてこ入れを担当するた主人公の悪戦苦闘を物語風に描いている。物語風という意味では、ベインの山本さんの著書と通じるところがあるが、三枝さんの本も相当読みやすい。この本では、1人1人の社員は真面目で、よい製品を持っているものの、それが売れず業績もよくないという問題を抱えている会社が舞台となっている。主人公が常務として乗り込んだ後の2年間の改革の軌跡をデフォルメして書いているが、要は、冷静に内部環境と外部環境を分析して大きな戦略目標を示すこと、その目標を個人個人の目標、活動に落とし込むこと、個人個人の活動をしつこく進捗管理すること、そのためには部屋にこもらずに現場の人たちや他の企画部門の人たちとのコミュニケーションを積極的に行うことというあたりが肝だと思った。読むと当たり前のことばかりなのだが、実践するのが大変なのはなぜなのだろうか。