荻原浩という作家

奇抜な切り口で、ドキドキ感がありながら、最後には何だかほんわかとした気分になる小説を書く作家である。普段は手にしないタイプの本なのだが、何となく気になって買ったらなかなかよかった。「四度目の氷河期」「ママの狙撃銃」と続けざまに読んだが、両…

貧乏はお金持ち

橘玲さんの新刊。今回の出張で唯一読了できた本。副題に「雇われない生き方で格差社会を逆転する」とあり、自由人的発想に基づいて書かれた作品である。そもそもの導入部分が面白くて、ついつい読み入ってしまった。その導入部分というのは、「派遣はダメで…

本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー

養老孟司さんと国交省の元河川局長の竹村さんの対談形式の新書。環境、食料、エネルギーという世界の三大テーマについて骨太の議論をしている。普段マスコミが表面的に論じていることを全否定するかのような勢いで、「温暖化対策にお金をかけるのは間違い」…

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

友人Aに薦められて読んだ本である。ケロッグにてMBAを取得した後、当時急成長中のマイクロソフトに就職してオーストラリア事業、中国事業でエグゼクティブを務め順風満帆なキャリアを歩んでいた著者であるジョン・ウッド氏が、バケーションで訪れたネパール…

ハードカバーの値段が上がっている

最近ようやく気づいたのだが、ハードカバーの本の値段が微妙に上がっている。以前、某出版社の編集長と話した際には、「ハードカバーでは1,500円というのが一つの大きな値段の目安で、それ以上だと消費者は購入する心理的障壁が急に高まるので、ある程度販売…

日経ビジネスがつまらない

留学時の貴重な読み物として以来、10年近く日経ビジネスを購読しているが、最近どうも内容がつまらなくなっている。周囲でもそういう声を聞くので、きっと僕だけの感想ではないはず。つまらない原因を考えてみたのだが、特集の軸の取り方、その掘り下げ方両…

正しく決める力

三谷宏治さんの新著「正しく決める力」を読んだ。主に学生や社会人経験の少ない層に向けて書かれている内容だが、もっと年長者でも十分に読む価値のある内容だと思う。物事を考え、決める際にどのような思考経路を辿ったらよいか、議論する際にはどのような…

オリンピックの身代金

奥田英朗の「オリンピックの身代金」という本を読んだ。この人もほとんどハズレがない作家である。昭和39年の東京オリンピックに向けて準備が進む東京が舞台である。秋田から出稼ぎで東京オリンピックの工事に駆り出されていた兄がひっそりと死に、東京と地…

覇王の番人

おそらく真保裕一初の歴史物だと思うが、ハードカバー上下二巻の大作を読破した。正直、最初は真保裕一が歴史物なんて書けるのかなと疑いつつ読み進めたためか、いつもとタッチが違うせいか読書スピードが遅く、うまく流れに乗れなかったが、上巻の1/3を過ぎ…

この国を作り変えよう

経営共創基盤の冨山さんとマネックスの松本さんの共著本。組み合わせが面白いので読んでみた。まずお二人のプロフィールを見て驚いたのが、年齢差が3歳ということ。失礼ながら、松本さんの方がだいぶ若いと思っていた。肝心の中身だが、2時間程度で読み切れ…

イン・パラダイス

なかなか新刊が出ない作家なのだが僕が好きな作家に渡辺容子という作家がいる。30〜40代の女性を主人公にその主人公の心情や人間関係に関する描写を中心にストーリーを展開することが多いのだが、その繊細さ、リアリティが何とも言えず味があり、引き込まれ…

奇跡のタッチダウン

リーガルサスペンスを生業としてきたジョン・グリシャムが突然アメフトを題材に本を書いてきた。リーガル系の方では最近、すっかり行き詰まっており、ヒットはあってもホームランはなかったので、すわスポーツ小説に転進したのかと思い、どんな内容なのか確…

聖女の救済

東野圭吾、今後しばらくはガリレオシリーズで売ろうという腹なのか、長編の「聖女の救済」と短編集の「ガリレオの苦悩」の2冊が同時に刊行され、かつ、ガリレオシリーズではないがドラマ化された「流星の絆」と合わせて3冊がベストセラートップ10に入ってい…

すべての経済はバブルに通じる

まさにタイムリーな本と言ってよいと思うが、小幡績さんの「すべての経済はバブルに通じる」を読んだ。バブルが発生する過程・原因を分かりやすく解説しており、特に前半部分は最近のマーケットの状態を考え合わせながらフムフムと理解しながら読んでしまう…

ファイアー・フライ

高嶋哲夫は当たりの本が多いが「ファイアー・フライ」、これも面白かった。とある誘拐事件から物語が始まるのだが、誘拐犯人の生い立ち、被害者であるエンジニアの会社人生、私生活が色々と複雑に混じり合いながらスピード感良く展開していく。初めは誘拐犯…

還るべき場所

すざましい迫力の山岳小説。相当分厚い大作なのだが展開がどんどん気になって暇があれば少しでも読み進める形で読了した。単なるアドベンチャー小説ではここまで深くはならない。この小説はカラコルムの8,000m級の登山に関する描写がものすごく詳細であると…

エネルギー

始まる前は長いと思っていた夏休みだがあっという間に過ぎ去ってしまった。この休み中に相当の数の本を読めたが、その中で圧倒的な取材力に感銘を受けたのが黒木亮の「エネルギー」。エネルギー源価格が高騰し各国がその囲い込みに走る中でタイムリーなテー…

経営パワーの危機

ようやく三枝三部作の一冊「経営パワーの危機」を読み、全作品を読破した。経営パワーの危機も他の二冊と同様にフィクションではあるが、著者の数々のプロジェクト経験をベースにしているため、リアリティがあり一気に引き込まれてしまう。今回は大手の重厚…

「まずい!!」学 組織はこうしてウソをつく

留学先の大先輩である樋口さんの「まずい!!」学の新書第二弾を読んだ。前著では大事故や大事件の背景を緻密に分析して、JR西日本やJALなど日本を代表する企業のリスクマネジメントの稚拙さを論じていたが、今回もそうした企業や組織の失敗事例を材料にして…

プラチナタウン

楡周平の新刊「プラチナタウン」を読んだ。大手商社の部長のポストを社内政治で失い欠けた主人公にタイミング良く?財政破綻しそうな出身町の町長に立候補しないかという話が舞い込み、無投票で町長に就任したものの、あまりの財政状況のひどさに直面し、途…

3つの真実

「鏡の法則」を書いた野口さんの著書である「3つの真実」を読んだ。忙しくしていると、というか忙しくしているが故にとても身につまされる話だった。自分は何のために生きているのか、その目的のために正しい道筋を歩んでいるか、自分にとって一番大事なもの…

官僚批判

ゆとり教育で有名な寺脇研さんの著書「官僚批判」を読んだ。ご自身で「成功でもなく失敗でもないキャリア」と言っているが、局長手前の審議官級で退官というのは傍目からの評価ではまさにそのとおりだろう。本書は、寺脇さんの30年の役人生活を若かりし日か…

裸でも生きる

情熱大陸でも登場した、バングラデシュで鞄の製造を行い、日本で販売するビジネスを起業した山口絵理子さんのこれまでの半生(というか1/4生くらいか)を自身で振り返っている一冊。単身バングラデシュに乗り込んで、「途上国の貧困問題を何とかしたい」とい…

闘う経済学

竹中さんの新著「闘う経済学」を読んだ。題名からすると、何やら経済学の本のように見えるが、経済学的なことを書いてあるのはほんの一部で、竹中さんが大臣として小泉行財政改革を支えた時代の功績を淡々と紹介している。「経済学者の闘い」という方が正し…

さらば財務省

なかなか売れているという噂を聞き、読んでみた。前半は高橋洋一さんの役人時代の成果について自慢っぽく書いてあり、何だか鼻持ちならない。役人本というよりは政治家本に近い印象。が、後半は公務員制度改革に対する想いなどまともである。買って読むほど…

不機嫌な職場

今、ベストセラーとなっている新書である。人事系コンサルのワトソン・ワイアットのコンサルタント、出身者が中心となって、コミュニケーションが希薄となった現代の職場環境に対して問題提起をしている。どうして目の前に相手がいるのにメールでコミュニケ…

For You

30代半ばになって純愛物で感動するとは思わなかったが、この本は良かった。急死してしまった叔母がどうして生涯を通じて浮いた話がなかったのか、まるで母子のように生活してきた姪が叔母の家を後片付けしているときに見つけた叔母の日記にその答えがあった…

ジーン・ワルツ

あの「チームバチスタの栄光」の海堂さんの作品である。さすが現役の勤務医であり、描写にすごくリアリティがあるのがこの人の作品の魅力なのだろう。今回の作品を通じ、一貫して行政と大学(医局)による我が国の医療と少子化対策の過ちを暗に糾弾している…

リーダーシップの旅

移動時間の多かった今回の旅行で10冊くらい本を読破したが、その中で一番感銘を受けた本。「キング牧師も最初から多くの人々を率いるリーダーだったわけではない」ことなどを引き合いに出しながら、リーダーシップというのは先天的に存在しているものではな…

戦略プロフェッショナル

三枝匡さんの「戦略プロフェッショナル」を読んだ。ご本人の経験談が入っているのかもしれないが、某製鉄会社から子会社の製薬会社に志願して出向し、その経営のてこ入れを担当するた主人公の悪戦苦闘を物語風に描いている。物語風という意味では、ベインの…