すべての経済はバブルに通じる

まさにタイムリーな本と言ってよいと思うが、小幡績さんの「すべての経済はバブルに通じる」を読んだ。バブルが発生する過程・原因を分かりやすく解説しており、特に前半部分は最近のマーケットの状態を考え合わせながらフムフムと理解しながら読んでしまう。みんながバブルだと知りながら、どこまで収益を伸ばせるかという投資機関同士のチキンレース、それに群がる第二群、第三群の連中がさらにバブルを増長させていくという行動経済学的な説明はなかなか分かりやすく、説得力がある。ただ残念なのは中盤。最近のマーケットの動向の解説に終始しており、データ集としての価値があるとはいえ、読み手からすると退屈。まとめ的な章である最終章に至るまで飛ばし読みしてしまった。

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)