貧乏はお金持ち

橘玲さんの新刊。今回の出張で唯一読了できた本。副題に「雇われない生き方で格差社会を逆転する」とあり、自由人的発想に基づいて書かれた作品である。そもそもの導入部分が面白くて、ついつい読み入ってしまった。その導入部分というのは、「派遣はダメで正社員はよいという変な常識が一般化しているが、そもそもその常識を疑うべき。会社にすべてを拘束される正社員がどうしてそんなにいいのかを改めて考えるべき」「ニートと言ってしまうと現在の日本社会では何の信用力もない存在だが、そのニートがゼロ円起業して株式会社(マイクロ法人)を作り社長という身分を得ればガラッと信用力が高まる」といった趣旨である。本編は、マイクロ法人を創立することによる税制面のメリットを中心に書かれている。個人課税と法人課税の仕組みの違いをうまく利用すれば、大幅な節税(もちろん合法的なもの)が可能であるとのことで、世の中にあまたある中小企業のオーナーもそれを活用して手取り収入を最大化させている実態を明らかにしている。問題は、ある会社と雇用契約を締結する際に、「法人への委託契約としてくれないか」と交渉しそれが認められる確率か。

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する