聖女の救済

東野圭吾、今後しばらくはガリレオシリーズで売ろうという腹なのか、長編の「聖女の救済」と短編集の「ガリレオの苦悩」の2冊が同時に刊行され、かつ、ガリレオシリーズではないがドラマ化された「流星の絆」と合わせて3冊がベストセラートップ10に入っているというすごい状況になっている。人ごとながら、今年はこの人すごい印税収入+映画化・ドラマ化収入だろうなあと妄想したりしてしまう。

さて、このうち「聖女の救済」を読んだ。ガリレオのドラマ・映画を観た後なので、湯川先生というと福山雅治、内海刑事というと柴崎コウの顔をつい思い浮かべながら読み進めてしまう。映像化の効果というのは恐ろしいもの。この聖女の救済も従来のガリレオシリーズ、あるいは古畑任三郎シリーズと同様に、最初に犯人が分かるのだが、なぜ殺したのかという動機、どのように殺したのかというトリックの解明をその後進めていくというスタイルになっている。さすがの東野圭吾も量産に走ってしまったせいか、彼独特の表現力でうまくごまかしてはいるものの、全体がちょっと粗い感じでストーリー展開も単調なのは否めない。ちょっと残念。

聖女の救済

聖女の救済