本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー

養老孟司さんと国交省の元河川局長の竹村さんの対談形式の新書。環境、食料、エネルギーという世界の三大テーマについて骨太の議論をしている。普段マスコミが表面的に論じていることを全否定するかのような勢いで、「温暖化対策にお金をかけるのは間違い」「少子化というのは悪いことではない」「日本の農政が日本の農業をダメにしている」などと言いたい放題。しかし、きちんとデータや論拠を示しながら論じており、決して間違った議論ということではなく、むしろ正しいのかもしれない。おそらく養老さんたちが意図しているのは、普段みんなが常識と考えていることに対してあえて挑戦して真逆の議論をすることで、読者に何が「本質」なのかを考えてもらいたいということなのではないか。そういう意味で、この本の内容は小気味よく、色々と考えさせながら読ませてもらった。

本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー (PHP新書 546)

本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー (PHP新書 546)