キャラ立ち

日本人のノーベル物理学賞受賞者が一気に三名誕生という喜ばしい話。市場が荒れ、政治が荒れる中、素晴らしいニュースである。中でも益川博士のインタビューがものすごく面白かった。いかにも学者の典型という感じで、ノーベル賞受賞自体もそんなに嬉しくない感じ。むしろ研究者仲間に「実験結果が立証されたね」と誉められることの方が嬉しいらしい。家を出るのは8時2分、風呂に入るのは21時36分と決めているのだという。外国へ行ったことがなく、パスポートも持っていないというのも、今時の学者にしてはなかなか珍しいのではないか。いったい益川博士と小林博士の研究がどのように素晴らしいのか、典型的な文系人間にとってはちんぷんかんぷんなのだが、30年前に仮説を作って、その立証作業をライフワークとして過ごしてきたというのはものすごい粘っこさである。

なおシカゴの南部博士は米国籍を取っており、ノーベル賞の事務局側では米国人として認識されているとのこと。日本人としてはちょっと寂しいが、ポジティブに考えれば日本出身者が海外で活躍して、そこでの成果が国際的に認められたということであり、日本人の国際展開という観点からはよいことなのかもしれない。