N女史のキャリア選択

役所時代の後輩のN女史が某国際機関に出向となり、アフリカの某途上国へ来月出発とのことで、ささやかな送迎会を開催。留学の出入りがあったりして、彼女と会うのは前回ニューヨークで会ってから実に3年ぶりくらい。今回の異動は、役所がずっと持っていたポストではなく、途上国での現場経験を積みたいという彼女の想いが実現し、役所の人事当局も根負けして認めたものという意味で、彼女自身が自分のキャリアを切り拓いている事例であり、なかなか興味深い。役所側からは、「霞が関の常識」にしたがって、「もっといいポストがあるのに何でそんな途上国へ行かなければいけないんだ」「2年だけの約束だからそれ以上は認めない」などとプレッシャーがあるみたいだが、自分の信ずるところに従って自分のキャリアを創っている点がまず素晴らしいし、もはや狭い霞が関の中での論理が通じ続ける時代でもない。役所が敷いたレールに乗って過ごすだけではなかなか外の世界でも通じる人材にはならず、また、役所も一生面倒を見てくれるわけでもないのだから、このように自分である程度リスクを取り、他の役人とは異なるキャリアパスを築いて差別化を図ることは、逆説的ではあるが実はリスクを軽減しているように映る。

唯一の問題は、彼氏を日本に置いていくとのことで、プライベートの方はいったいどうするの?という話。本人はいたって軽い感じだが、置いていかれる方はたまったものではない。