観たかった・・・

ボストンのフェンウェイ・パークでイチローと松坂の直接対決。朝のニュースはそれで持ちきりだったが、実際の試合は当然ながら観ることができず。夜のニュースでダイジェストを観るしかなかった。野球はアメフトと同様、「間」の多いスポーツで、緊迫した状況になればなるほど、その間に流れる空気が面白いのだが、ダイジェストにしてしまうと、それが全部損なわれてしまうので面白くない。また、野球は、実際に球場で観るのと、テレビで観るのとでもかなり印象が変わってくる。球場でしか得られない独特の現場感覚があると思うのだが、いったいどのようなメカニズムであの高揚感が生じるのか、いまだ不思議である。フェンウェイには、ボストン在住の日本人が大挙して押し寄せたことは想像に難くないが、何ともうらやましい。


実は、6年前に同じフェンウェイで、(留学中だったため)記念すべきイチローと野茂のメジャーリーグ初対決をこの目で実際に観ることができた。あのときのドキドキ感は今でも忘れられない。球場自体がメジャーリーグで使われている球場で一番古く、古き良きアメリカ的な雰囲気であるのに加え、そのような雰囲気の中で日本球界の名投手と名打者が対決するというのは、当時は本当に夢のような話だった。今でこそ日本人メジャーリーガーが増えて、ちょっといい選手だったらすぐにメジャーリーグへ行く時代になったが、6年前(ほんの少し前のことだが)はもっともっとハードルが高かった。実質的に初めての日本人メジャーリーガーである野茂と、野手として初めての日本人メジャーリーガーであるイチローの二人が今のメジャーリーグへの行きやすさを築き上げたと言っても過言ではないが、その二人の初対決だったのである。などと、イチローと松坂の対決ダイジェストを観ながらつらつらと思い出していた。


どこかのニュース番組で、「今回の試合はフェンウェイ史上2番目に多い観客数だった」という情報が流れていたが、それはなんだか胡散臭い。フェンウェイは元々狭い球場で3万人強しか収容できず、かつ、ボストンには熱烈なレッドソックスファンが多いので、満員になりやすい(実際、チケット自体は毎試合売り切れているのではないか?)。グリーンモンスター(ライト方向にある大きな緑色の壁)の上に若干の新しい席を設けたりしているので、その関係で20人かそこら多く入れることが可能になったということだろうか。だとすれば、まあ嘘ではないか。