株主総会

ブックオフの100円コーナーで見つけた牛島信の「株主総会」を読んだ。2時間程度で読み切れる中編の経済小説である。株主総会の下準備を任されているある会社の総務部次長が、安定株主から議決権を委任されているその立場を利用して株主総会で謀反を起こし、あれよあれよという間に社長に納まってしまうというストーリー。現実社会では起こりえないことだが、ロジックとしてはこのような事態が起こっても仕方ないと思わせる、弁護士の作者だからこそ編み出せるトリック。だから何なんだという気がしないでもないが、軽く読み飛ばせる痛快な小説だった。

株主総会 (幻冬舎文庫)

株主総会 (幻冬舎文庫)