ららぽーと豊洲

すっかり肩の荷が下りた最初の休日、妻がどこかへ出かけたいと言うので、昨年オープンして話題となった豊洲ららぽーとへ行くことにした。石川島播磨重工のドックの跡地が大規模に再開発され、東京でも今成長が著しい場所の一つである。まだ混んでいるのかなと思いきや、そんなに混んではおらず、肩すかし。ただ、やはりキッザニア東京だけは異様な混みようである。


今回、僕が密かに目的に掲げていたのは、敷地の一角にあるハイエンドスーパー「スーパーあおき」の見学。静岡出自のこのスーパーの東京一号店が豊洲にあるのである。食料品小売店でありながら経常利益率5%という脅威の数字を叩き出しているスーパーというのがいったいどういうものなのだろうか、ということにずっと興味を持っていたのだが、初めて実物を見る機会に恵まれた。店に入る前にまず気づくのが、およそスーパーらしくない重厚な雰囲気のエントランス。そして店内もスーパーの常識に反して照明を抑え、必要な箇所にはスポット的な照明を使っている。陳列商品も機械的に置いている雰囲気はあまりなく、きちんと工夫して置いている感じ。品揃えしている商品としては、定番品ももちろんあるのだが、顧客の「ちょっと今晩は贅沢に」という心理をくすぐるような層の商品を厚めに置いている。そして、プライシングはたしかに安くはないが、かといって法外に高いわけではなく、よくよく顧客行動を分析・観察して値決めしているのではないか。要素を一つずつ見ても明らかに他のスーパーよりも優れたところというのはないのだが、総合力で見ると全然違ってくる。抽象的だが、パッケージとしての仕上がりのよさがこのスーパーの強みなのだろう。こんなスーパーが家の近くにあればよいと思わせる店はそんなに世の中に多くはないはず。今度、この世界に関連するプロジェクトを担当することがあれば、もっとしっかり勉強してみよう。