銀座夏野

ひょんなことで、箸専門店として東京、大阪、京都に店舗展開している銀座夏野の代表のT君が僕の高校の1つ後輩であることが判明。さっそく、表参道にある店へ行ってみた。箸専門店ということで、やはり陳列してあるのは箸、箸、箸。なかなか壮観である。ものすごいニッチなマーケットだが、直感的に、今後伸びそうなビジネスだなあと感じた。T君も店にいたので、高校時代の思い出話などをだべりながら、ビジネスの状況などを教えてもらった。彼としては、「日本の伝統的な箸を少しでも普及させて、疲弊している日本の林業、木材加工業を立ち直らせたい」という想いでやっているとのことで、置いてある商品は、基本的に、国産手づくりのものばかり。店に来て箸を購入してくれるのは「ちょっと昼ごはんの弁当を贅沢な気分で食べたい」と考える弁当派のOL層と外人が多いという。


この業界ではなかなか有名になり、店の割り箸を全部置き箸に置き換えた某居酒屋チェーンなどから提携のオファーがあるものの、置き箸でも粗末な海外産のものを使っている事例が多く、コンセプトに合わないので断っているとのこと。リスクは、国産材の供給が細くなり、また、箸づくり職人が本当に少なくなっていることで、需要の拡大に追いつかないのではないかという不安を持っているようなのだが、需要が増えてくればサプライサイドも元気になってくるのは世の常だから大丈夫だろう。むしろこういう取組で産地が元気になるのはとてもよいことなのではないか。


ということで、役所時代の後輩でマイ箸にこだわりを持つMに紹介し、せっかくのよい取組、どうにかもっと拡げられないかを相談してほしいと依頼。役人辞めてから自分で主体的に動きづらくなっているところが難点と言えば難点である。