後輩の悩み

他省庁から僕のいた役所に出向で来ていた後輩のK君が役所を辞めてロースクールに入学することを考えているのだという。30過ぎて2年間私費でロースクールへ通うという決断をするのはなかなかできることではない。ロースクールへ行ったところで、司法試験に合格するという保証もない(もちろん、甘っちょろい学卒上がりと比べれば気合いが全然違うだろうから受かるはずだが)。ヤメ官の先輩としてアドバイスがほしいとメールをもらったのだが、行き先が違うとはいえ妙に僕と考えていることが似ていてびっくりしてしまった。「このまま霞が関にいても何の専門性も身につかず、最後は組織にしがみついているしか仕方なくなってしまう」「しかし、何とか社会の役に立つにはどうしたらよいか悩んでいる」「肩書でなく個人名で生きていきたい」そして「一度きりの人生なのだから、リスクを取ってでもやりたいことに挑戦すべき」などなど。アドバイスといっても背中を押してあげるくらいしかできないのだが、ぜひ頑張ってほしいもの。まずは、これから人事との交渉が目下の関門だろうが、粘り強く話し合って円満に解決できることを願っている。