エスピオナージ

ロシアのスパイを捕まえようとする日本の公安警察のストーリー。公安物に特化している麻生氏の作品はいずれもどこまでがフィクションで、どこからがノンフィクションなのかよく分からないほど具体的で詳細な描写がウリだが、本作もこれまでの傾向に違わずリアリティあふれている(少なくとも実際の公安を知らない人間としてはリアリティあふれるように感じる)。プーチン政権になってからどんどんと逆コースを辿っているロシアだが、本当にここまで諜報活動を本格化しているのであれば、安穏とした我が国にとってはものすごい脅威。一般人の目に見えない世界だけにさらに怖い。それにしても、作者はどのような取材活動を展開してこのレベルまで小説を書き上げているのかとても不思議。

エスピオナージ

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