地域力再生機構

最近、動向をウォッチしている議論が地域力再生機構の創設に関する議論。産業再生機構の地方バージョンという風に紹介されることが多いが、その実、地方の中核企業の再生だけでなく、第三セクターの再生や地方の面的再生も射程に入れているようだ。企業再生や第三セクターの再生は産業再生機構の知見を大いに活かせるだろうから、ぜひどんどん進めて、まだまだ地方に偏在する膿を出し切るべきだと思うが、地方都市の地盤沈下を止めるためには、このような点の再生よりも面の再生が大事だと個人的には考える。たとえば、地方の中核都市の中心市街地活性化、寂れた伝統的な温泉旅館街の再生など面白い(というかやらなければならない)テーマがゴロゴロしている。しかしながら、どうやって面的再生を行うのかという知恵がない(おそらく、分かっている人がいればどこもかしこもシャッター街になるわけないか)。まずはその地域で社会生活を営んでいる人たちと、再生に関する知見を有する専門家たちとの間の膝詰め議論から、多くの人たちを巻き込んでよい知恵を出していく、皆が腹落ちした解決策を実践していく、さらに多くの人たちを巻き込んで地域の意識改革を進めていくという地道な取組をやっていくのだろうか。


この地域力再生機構内閣府の研究会で検討が続けられており、先月に検討会の中間報告が出て、今年末までに最終報告が取りまとめられ、来年度には発足というスケジュールである。限りない可能性を秘めた構想であり、引き続き注視していきたい。


なお、増田座長が総務大臣に就任した関係で代わりに研究会に入った山形県知事の齋藤さん、恥ずかしながらこの人の人となりについて知らなかったが、HPを拝読するかぎり、なかなかの人物のようである。ぜひ一度お会いしたいもの。