ニュースの天才

「ニュースの天才」という映画を観た。実話を基にしたノンフィクション映画で、硬派ニュース雑誌の若い人気記者が主人公。この主人公が読者受けする記事を連発する裏側で、情報を捏造していた疑惑が徐々に表面化。自分の威信を守るために捏造を頑として認めず嘘に嘘を上塗りしていく主人公と追い詰める上司という構図。挫折を知らない若きエリートが功を焦るあまり会談を転げ落ちていく姿はジャーナリズムの世界でなくとも間々見られるが、ドキュメンタリー風に忠実にその過程を描写している点でこの映画は素晴らしい。もっとも、主人公をとことんまで追い詰めてしまったのは、本人のエリート意識に依るところも大きいが、自分の正当性をことさらに主張しないといけないアメリカ社会に依る部分も相当あるように思う。

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