鯛焼き屋

うちの近所に鯛焼き屋が1年ほど前にでき、予想に反してなかなか繁盛している。駅前のイトーヨーカドーなどに客を取られてしまい儲かっている雰囲気の店が皆無の昔ながらの商店街なのだが、そのような立地に鯛焼きという商品に絞って出店を決意し、かつ繁盛しているというのはなかなか興味深い。たしかに、周囲にマンションが林立していて商圏人口はかなりのものであり、また、コンビニを除けば競合の鯛焼き屋、類似の甘味処も周囲にない。出かけた帰り道にホカホカの鯛焼きを売っている店があれば、懐かしい気持ちもあってついフラッと立ち寄ってしまう顧客心理もよく分かる。

ただ、それにしても単価の安い鯛焼きで、どうやって利益をを捻出しているのかが不思議である。販売価格が1個130円で、粗利が70円として、月100万の粗利を得ようとすれば、月1万4千個、1日当たり500個、1時間当たり50個(10時間営業)の鯛焼きを売る必要がある。ピーク時には50個以上売れるかもしれないが平均50個というのはなかなか高いハードルのように思える。そうするとそんなに利益が出ていないということなのか、それとも1個当たりの粗利がもっと大きいということなのか。夏場と冬場の季節変動も大きそうだし、なかなか難しそうなビジネスであるが、うまくやっているのであれば、その秘密を知りたい。