改革の志

quechee2008-04-20

プラハ城に行き、1989年に当時のハベル大統領が共産主義との訣別宣言(ビロード革命)をした場所に立った。プラハの春からおよそ20年を経てようやくチェコの無血革命が達成されたわけだが、あくまでもハベル大統領の訣別宣言は革命終了の最終的な宣言に過ぎず、プラハの春、あるいはそれ以前から脈々と続いてきた、史実にはほとんど現れない膨大な革命活動が存在しているはず。その間、ソ連などからの圧力を潜り抜けながら命を賭してレジスタンス的に自由への活動を続けてきた無名の人たちのことに想いを馳せると、厳粛な気持ちにならざるを得ない。20年の間ずっと戦い抜いてきた人もいるだろうし、途中で暗殺されたり投獄されたりした人もいるだろうし、体制側に不本意ながら組み入れられてしまった人たちもいるだろう。いずれにせよ、自分と周囲に強い圧力を受けながら初志を忘れずに革命を完遂するための強い信念を保つのは容易なことではないと想像するが、彼らを支えたのは、やはり子孫に対して誇ることができる状態で母国を引き継いでいきたいという想いだろうか。現在、日本は緩やかに危機的状況に突き進んでいるゆでガエル状態だと認識しているが、そのような現状に対して自分が命を賭して同様の改革運動に臨めるかというとそんな覚悟はできない。ビロード革命からさらに20年経った現在、その象徴的な場所に立つ幸せに恵まれながら、つらつらと考えさせられた。