再議決

揮発油税暫定税率維持などを内容とする一連の租税関係の特別措置法案が衆院で再議決され、成立した。公布日施行ということで、4月30日付で政省令も含めて400ページ弱の官報の特別号外が出された。昨年度末に向けて準備していたものを流用したのだろうが、「暫定税率復活」という報道の裏で、霞が関の若手の役人たちが公布日がずれたことに伴って行った誤字脱字チェックはなかなか大変だったのではないかと推察。それにしても、午後に衆院で議決されてから短時間で官報を出すという鮮やかなロジスティックスはなかなか見事だった。

それはさておき、福田政権にとって、今回は再議決するしかオプションが残されていなかった。再議決してもしなくても民主党の攻勢が強まり、また、消費者からの自民党支持はこれ以上は大きく減らない。一方で、再議決することにより、少なくとも財源に穴が空いている自治体の支持、建設関係の事業者の支持は守ることができる。政権担当者にとって政策の選択の余地がないのは苦痛以外の何物でもなかったのではないか。まあ民意掌握、霞が関のコントロール民主党対策が稚拙なことによる身から出た錆と言ってしまえばそれまでだが。