公務員制度改革法案一転成立へ

今国会では成立せず、継続審議になると見られていた公務員制度改革法案だが、様々な政治力学が働き、与野党が合意、一転成立に向かうこととなった。支持率を少しでも回復するために何としても世間受けがすることをしたい福田首相と、国民受けのよい施策を否定することで追い風を弱めたくない民主党の思惑が一致し、与党が民主党の修正要求をほぼ丸呑みする形でスピード成立が図られそうである。

この法案、世間からは天下り規制法案と思われているが、肝は公務員の人事評価制度の導入にある。同じ年次であれば誰もが同時に昇進し、同じ額の給料をもらうという今の悪しき徹底的年功序列体系に風穴を開け、優れた人はどんどん要職に登用し、どうしようもない人は分限処分→免職とすることが期待される。ただ、法案が成立しただけで一朝一夕に改革が進むとは思えず、今回のこの法案の成立をスタートラインと認識し、色々な抵抗にめげず粘り強く、様々な搦め手を使って改革を進めていく必要があるだろう。まずはこの法案成立後の関連法令の整備の際に、根本思想が骨抜きにならぬよう、しっかり監視していかなければなるまい。