役人のマイレージは誰のもの?

役人が出張で飛行機を使う際のマイレージの扱いが最近問題となっているようだ。個人的には、そんなささいなことをあげつらう前にマスコミにはもっと大切なことにリソースを注力してほしいと思うが、役人バッシングは安易に読者の共感を呼びやすい記事だから、易きに流れるのは仕方ないことなのか。

政府方針として、職員に公用のマイレージカードを別途作らせ、私的流用がないかどうかを各省ごとに厳格に管理するようにするらしく、思想としては正しいと思う。一方で、どのくらい厳格に管理するかにもよるのだが、管理にはコストが伴うものであり、今回の官房長官が発表した方針はそのコストをどうも無視しているように思える。役人一人一人のモラルに訴えて、公用で稼いだマイルは公用で利用するよう促すだけではダメなのだろうか。役人のほとんど(悪い人はもちろんいて、その人たちが公務員批判の元凶)は世間平均よりもモラルの高い人たちのはずであり、このマイレージの話に限らず、少しは性善説に立ったものの考え方をしてほしいもの。そんなに押し込められてばかりいてはよい政策も生まれない。

ところで、こういう考え方を突き詰めていくと、航空券を買う際に貯まるクレジットカードのポイントはどうするのかといった問題も出てくると思うのだが、今度は役人全員に経費精算用のビジネスカードを貸与といった方向性になっていくのだろうか。