伊丹空港は廃止すべきなのか

橋下知事の「伊丹空港の廃止を検討」という発言が物議を醸している。問題意識としてはしごくまともで、狭い地域に伊丹、関空、神戸の三空港がひしめき合っており、かつものすごい金額をつぎ込んでできた関空の活用に頭を悩ませている中、元々は廃止する予定だったはずの伊丹空港の問題について言及したに過ぎない。伊丹の騒音問題の解決が関空建設の理由の一つだったはずで、伊丹の廃止は周辺市も歓迎こそすれ反対をするはずはなかったのだが、飛行機の性能の向上と地道な騒音対策による騒音の軽減、地元経済に与える伊丹空港の影響の大きさなどの諸要因が相まって、いつの間にか伊丹空港は存続が決まり、主要路線もそのまま残った状態が続いている。一利用者としてはもちろん伊丹の方が便利だが、関空を造るという英断をした時点で選択と集中をしないと、国民は1つにまとめても同じ需要に対して延々と二重の空港維持管理コストを負担することになってしまう。国交大臣は「伊丹廃止は素人の発想」と酷評したらしいが、おかしいのは国交大臣の方ではないか。