不祥事を起こした職員の再雇用問題

NHKが懲戒処分に処して自主退職した職員を再雇用している問題がオリンピックの陰で報じられている。根本的に矛盾していると思うのは、マスコミの多くが一度裁きを受けた人(社会的制裁であれ刑事制裁であれ)の再チャレンジの場が少ないと声高に主張する一方、今回のNHKの話のように社会的制裁を受けた人に対して再チャレンジの機会を与えることを糾弾するということ。特に定年間近になると、退職金だけでは生活を支えられない状態にある一方、NHKかその関連団体しか再就職先がないだろうことが推察され、仮にNHKが十分に社会的制裁を受けたことと、本人が十分に反省していることを確認できれば(これらの前提はとても大事だが)、本人の長年にわたるNHKにおけるキャリアを活かしたポストを提供することは問題ないように思われる。NHKを批判する余地があるとすれば、準公共機関であるにもかかわらず、再雇用の事実と経過を積極的に公表しなかったことにあるのかもしれないが、そんなに大騒ぎするほどのことなのだろうか。単なるマスコミ同士の足の引っ張り合いという色彩が強そうな報道である。