杉山三郎さんという考古学者

今日のNHKプロフェッショナル、考古学者の杉山三郎さんの特集だった。メキシコの遺跡、しかもテオティワカンという世界遺産に焦点を絞って30年にわたり研究されている方で、まず感じたのが、一つの遺跡に眠る秘密の解明に自分のキャリアのすべてを捧げられることがすごいし、うらやましいということ。杉山さんは元々大学で考古学を専攻していたわけではなく、たまたま目にした本を通じてメキシコの遺跡に並々ならぬ興味を持ち、メキシコへ飛び、遺跡発掘のアルバイトから始め、当時の考古学の権威に見初められて徐々に才能を開花させた大変な努力家である。自分の私生活を犠牲にしてでもメキシコで泥まみれの生活を送ることを決意させたメキシコの遺跡の魅力というのがどうしても理解できない(もちろん、遺跡の秘密が解明されればとてもロマンチックだということは感じる)が、数ヶ月おきに全然違うテーマを扱う職業に就いていると、杉山さんのように超長期にわたって一つのテーマを追求できる人がすごく魅力的に映るのである。