クリントン女史の来日

中川さんの騒動の真っ最中という何ともタイミングの悪いときにクリントン妻が来日した。就任後のアジア歴訪ということだが、その一番目の訪問国に日本を選んだだけで喜んでいる日本の政治家たち、マスコミはいったい何と脳天気なんだろうと思う。旅行と一緒で、一番米国から見て近い国だから、最初か最後に訪問するのが一番効率的であり、実際そうしているだけなのではないか。後付けでもちろん「一番大事な同盟国だから最初に訪問した」というリップサービスはするのだろうが。

今回、クリントン女史は「おみやげ」として「2月24日にホワイトハウスに麻生さんをご招待する」と発言したが、この言葉に喜びすぎるのもどうかと思う。もちろん、誰かを家に招待するのは「あなたに好意を持っていますよ」という証なので、それ自体はOKなのだが、オバマさんが早急に麻生さんを招待したい最大の目的は今後の米国再生の原資の確保、つまり米国債の継続的な買い支えの確約を得ることだろう。就任直後で忙しいのは分かるが、お金を借りたいのであれば、その借りたい方が貸し主のところに出向いて頭を下げるというのが世の常識であり、そうすべきではないのか。それとも、これはあまりに了見が狭い見方だろうか。ただ、麻生さんも日本の政治経済が火事場状態の状況で、あまり外遊している状況ではないはずというのは事実だろう。