15%

麻生さんが、2020年の温室効果ガスの中期削減目標として2005年比15%減を「決断」したというニュース。「だから何?」というのが僕の感想であり、きっと世間の多くの人が同じ印象を持っていることだろう。この目標値と、それを支える根拠を積み上げるために、関係省庁の多くの役人が徹夜を続けただろうことは容易に想像に難くないが、「だから何?」という思いを持ってしまうのは、現状の1990年比6%削減目標が国内削減努力では達成できなさそうということに対する反省が何も見られないこと、それと、もっともらしく15%削減のためのシナリオを積み上げているがそれがまったく肌触り感がないことが大きな要因なのだろう。米国が14%減、EUが13%減という中期目標を掲げており、単にそれを少し上回る目標値を掲げておけば国際リーダーシップを示すことができるのではないかという浅はかな考えが根底にあるような気がしてならない。数字遊びをしている暇があるのなら、もう少し地に足のついた政策立案や削減努力をしてもよいのではないか。いつも上から目線で政策を考えるのではなく、たとえば、都会に住んでいる4人家族が15%排出を減らすためには何をしたらよいかというのを具体的にイメージしながら考えるだけでも結構違うように思う。