いよいよ裁判員制度

もうすぐ裁判員制度が導入された初めての刑事訴訟が執り行われるとのこと。それを見据えて、「スマイル」とか「魔女裁判」とか裁判員制度を前提としたドラマもこのクールのドラマで放映されている。この裁判員制度、膨大な準備期間と相当なコストをかけていよいよ本番を迎えようとしているが、日本にちゃんと根付き、導入した効果が発揮されるものなのだろうか。陪審制とは異なり、評議に裁判官が加わるという点に日本的な工夫が見られ、要は裁判員に相当な有識者かうるさ型がいない限りは裁判官が陰に陽に評議団を誘導するだろうことが想像できる。「国民参加により司法を身近なものとするとともに信頼性を高める」というお題目だが、うがった見方をすれば、役人が審議会を隠れ蓑に使うのと同様、裁判官の判断の単なるアリバイづくりに過ぎないような気もする。そうしないようにするためには、裁判員に選ばれた人たちがやらされ感に支配されて裁判に臨むのではなく、誇りを持って自律的に自らの良識に従って判断を下すことが求められるが、そんなのは理想論に過ぎないのだろう。