自民党の都議選敗北

予想されたことだが、自民党が都議選で敗北し、民主党が第一党となった。衆院選に向けた大きな試金石とされた静岡知事選と都議選と両方で敗れ、民主党に大きなスキャンダルがない限りは衆院選においても同様の結果になるだろうことが容易に予想される。何回か衆院選の敗北幅を減らせる機会がこれまでにあったはずだが、ことごとく解散のタイミングを逸してしまい、最悪のタイミングで解散せざるを得ないように追い込まれてしまった。要は損切りが下手くそだったということだろう。

ただ、民主党政権が遅かれ早かれ誕生したとしても、自民党以上に党内をまとめるのが困難である。たとえ出だしが上手くいったとしても、長期政権を築くのは極めて困難であろう。今回の衆院選後にまたすぐに選挙をするのか、せずに政界再編があるのかよく分からないが、しばらくは政治的混乱が続くのは必至。まだ経済が脆弱な状況であり、また、議論を進めていかなければならない政策課題も積み上がっている中でこの国はどこへ向かうのかという心配はあるが、今度の衆院選を皮切りに溜まっていた膿が出されるのであれば多少の不安定さは甘受せざるを得ないのかもしれない。今度の衆院選与野党問わず若手が躍進し、今度の民主党政権の後の政権はぜひ若い世代の利益を代弁してくれるような政権となることを今から期待している。

それにしても都議選の投票率が前回から10ポイント以上も上がったとのこと、政界の末期的症状を見て、これまで政治に無関心だった層も無関心ではいられなくなった証だろうか。衆院選も高い投票率になり組織票が効かなくなることが予想され、これも朗報だろう。