ファーストクラスでアリゾナへ

quechee2009-09-07


成田エクスプレス、空港のカウンターとも混んでいる。これから夏休みという人も多いのだろうかと思いきや、スーツを着た人が多いのをみるとビジネス客が多いのだろう。現地に着いてすぐに仕事があるならまだしも、そうでないと思われる大部分の人は飛行機に乗るのにスーツでなくてもいいと思うが。

今回、最初の訪問地はアメリカの避寒地で有名なアリゾナのゴルフのメッカ、スコッツデールである。フェニックスと実質的にくっついており、ビジネスはフェニックス、リゾートはスコッツデールという区分けなのだろうか。最初、西海岸経由の便を探していたのだが、結構混んでおり、仕方なくシカゴ経由の便を選択していたところ、これが大正解。カウンターで「座席調整の関係でファーストクラスにアップグレードする」とのこと。よくあることなのだろう、カウンターのお姉さんはサラッと冷静沈着に伝えてくれたのだが、こちらは初めての体験だけに「は?」と無防備に聞き返してしまった。全日空にずっと操を捧げているご褒美なのだろう、今回の旅の出だしから素晴らしいプレゼントをもらった。ファーストクラス、実際に搭乗してみるとビジネスクラスよりも更に座席が広く、1畳ほどのスペースが全部自分の占有空間である。そして、ビジネスクラスのような若干角度のついた「なんちゃってフルフラット」ではなく、きちんとベッドのように完全に水平になる。機内食も食材がよくなるばかりか、お皿も陶器製のきちんとしたお皿で準コース料理になっており、こりゃすごいなあと思った。ちなみに、ヘッドホンもソニー製のノイズリダクション型の本格派。すべてにおいてビジネスクラスを一回り上回っている。自らお金を出しては今後決して乗ることはないと思うが、いい夢を見させてもらった。

シカゴでの入国審査は空いていて助かったが(早朝の到着だったからか)、まるで容疑者になったかのように両手の指紋すべてと写真を撮られるというのはいい加減何とかならないものか。しかも今回は結構強圧的なおばさんの審査官だった。オバマさん何とかしてという感じ。広いオヘア空港を使うのは留学時代以来実に7年ぶりだが、いつもはユナイテッドの新しいターミナルで乗り継ぐだけで、国際線到着ターミナルも、フェニックスへのUSエア便のターミナルも初めて。ユナイテッドのターミナルは新しいが、他のターミナルは結構老朽化していることを初めて知った。この方がシカゴ自体のイメージに合致する。

1時間強の待ち合わせの後、半分Uターンするようにフェニックスへ更に3時間のフライト。全日空のファーストクラスで興奮してあまり寝れなかったせいか(極めて単純な人間である)、こちらで熟睡。気がついたらフェニックスだった。アメリカは全土で相当色々な都市を訪れていると思うが、フェニックスは初訪問である。バゲッジクレームでスーツケースはゲットできたものの、肝心のゴルフバッグが待てど暮らせど出てこない。ファーストクラスで運を使ったツケが早くも現れたか。トラブル対応の窓口へ行くと、「待ってたわよ。シカゴからゴルフバッグが届いていないお客さんでしょ?」とアメリカらしからぬ積極的な反応。他にもトラブル客がたくさんいるだろうに何で分かったんだろうと思い「How do you know that?」と尋ねると、シカゴからの連絡票、日本人であること、タイミングの三点から推理したらしい。これでunsatisfied customerがすっかり籠絡されてしまった。ゴルフバッグは次の便で到着するので、着き次第、当日便でホテルまで宅配してくれるとのこと。

覚悟はしていたがフェニックスはうだるような暑さ。レンタカーを借りると、恩着せがましく「アップグレードしておいたよ」と1人なのに大きなワゴン車。マツダ車(日本名が何なのか知らないがMazda 5という車種)であることが救いだが、別に車は大きくなくてもよい。アメリカ人の「大きいほどいい信仰」はまだまだ根強いようだ。家を出て20時間くらいでようやくホテルに到着。こちらも空いているのかワンベッドルームの巨大な部屋にポツネンと1人。静かな部屋から見える水、緑、ゴルフ場の景色にはなかなか癒される。