鳩山さんの施政方針演説

臨時国会が月曜日に開会し、鳩山さんが50分強に及ぶ施政方針演説を行ったとのこと。もちろんナマで見ることはできなかったが、ニュースでのダイジェスト、新聞紙上に掲載された全文には目を通した。臨時国会の施政方針演説は通常は臨時国会で取り扱う重要施策に絞って簡潔に終わらせるものだが、今回の鳩山さんの演説はいかにも力が入っており、次の通常国会の施政方針演説ではいったい何を話すんだろうと、いらぬ心配をしてしまった。演説原稿の作成過程も自民党政権時とは異なっていたようで、これまでは院内の参事官室が原稿をドラフトし、それを全体の内容が漏れないように関係部分だけ切り取って「短冊」で各省に合議しセットするという手順だったが、今回は政治主導で、陰の総理とも言われる松井官房副長官がドラフトし重要閣僚に諮った上で最後に役人サイドの確認を取ったとのこと。まあ、当たり前のやり方に戻ったと言えばそれまでだが。

演説の内容自体は野党の自民党が批判するように理念先行形で具体性に乏しいものだったという点は否めない。しかし、政権交代後1ヶ月の最初の施政方針演説である程度の抽象度を持ってしまうのは仕方がないことであることもまた事実。セオリーどおり最初の100日が勝負であることに変わりはないだろうが、これから年末に向けてどのような予算編成を行うのか(どこまで概算要求時の額を圧縮できるのか)、普天間問題を中心にオバマさんの来日時にどのような成果を挙げるのかといった当たりが重要なポイントとなるのだろう。小沢さんの訳の分からん影響力も気になるところではあるが、リーダーはあくまでも鳩山さんなのだから、変に日和らずにきちんとリーダーシップを発揮してもらいたいものである。