スジ屋

今日のNHKプロフェッショナル、東京メトロに勤める一サラリーマンの牛田さんが主人公。彼の仕事は地下鉄のダイヤづくりで、業界ではダイヤグラムのスジを引くことから「スジ屋」と呼ばれているらしい。彼がダイヤを引き直して改正することで遅れが常態化していた東西線の遅れもほぼ正常化してしまったというほどの凄腕である。

では、どのようにダイヤを引き直すのかという点である。所々の制約の中で混雑率など理屈上の数字を勘案して原案をつくるところまでは、知識を習得した人間であれば誰でも机上でできるのだが、牛田さんのすごさは徹底した現場主義にある。足繁く現場へ赴き、各駅での電車の実際の遅れ具合、客の動きなどを地道に観察し、自分の立てた仮説(原案ダイヤ)の正しさを検証する。10秒単位で各駅の停車時間を調整するなど本当に地味な仕事であるが、戦略コンサル的な動き(これすらすべてのコンサルができているわけではないが・・・)を自然に体得して実践している。そして、さらにすごいのは、自分で分析したデータを基に、粘ちっこく関係者(相互乗入先の鉄道会社、上司、関係部署など)と交渉して、自分の作成した理想のダイヤを実現すべく能動的・積極的に動いている点。

毎年春に各社のダイヤ改正が発表されるが、その裏でこんなドラマが起きていることを初めて知った。まさにプロフェッショナル。