ラッシュライフ

かなり話題になった本であり、一般教養として読んでおくべきと思い、とりあえず手を出してみた。たしかに筆者がプロットをものすごく深く推敲したことが伺え、登場人物と場面と時系列が複層的に入り乱れながらも中盤から後半に向けて段々とそれらの連関が明らかになって収斂していく構成は圧巻である。ただ、個人的にはあまりテイストが合わなかった。何が原因なのだろうと思い返すに、文章があまりに淡泊(技巧に走りすぎている)で登場人物に感情移入できない点と、神様やら死体やらに関する記述がやたらと登場しオカルトチックな点だろうか。


ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)