大統領特赦

ジョン・グリシャムの久しぶりの新刊ということで、事前の期待感十分に読み始めた。司法取引で有罪を認めて刑務所に収監されていた主人公が、CIAの謀略によりいきなり特赦を受け、別の名前を与えられてイタリアに匿われたものの、世界各国の情報機関から命を狙われてしまい、逃げ続けるというストーリーである。ただ、いつものグリシャム節があまり見られず、特に前半がもたもたとスピード感がなく、ようやくストーリーが動き始める上巻の後半部分まで読み進めるまでがちょっと大変だった。後半はちょっと描写が雑であり、やっつけ仕事で書いている印象。グリシャム標準からは明らかに平均より下だが、一般的な外国小説の水準でいえば、そこそこという感じだろう。


大統領特赦〈上〉 (新潮文庫)

大統領特赦〈上〉 (新潮文庫)

大統領特赦〈下〉 (新潮文庫)

大統領特赦〈下〉 (新潮文庫)