ライブドア監査人の告白

ようやく読むことができたのだが、ライブドア事件が起きたときにライブドアの監査を担当していた田中さんの著書。ご本人とお会いしたことがあるが、感じのよい飄々とした方である。この本では、監査人の立場、しかも検察に色々と取り調べを受けた立場からライブドア事件の実像に迫っており、描写が生々しく、迫力がある。世間には、ライブドア事件を評価している著書が数多あるが、それらのほぼ全部が、当事者への取材などを通じて第三者的立場から評価しているものであり、そういった著書とは一線を画している。田中さん自身は、事件が発覚する半年前くらいから監査業務を担当することとなり、ライブドア事件が事件に発展するのを食い止めようと努力したものの、既に時遅しの状況だったとのことだが、それでも責任を感じて公認会計士の資格を返上した。難関の資格を返上するというのはなかなかできないこと。ご本人は現在は起業準備中とのことで、ぜひ頑張っていただきたい。

ライブドア監査人の告白

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