さて、そろそろ反撃してもいいですか?

ドコモがここのところテレビ、電車広告、駅の広告などあらゆる媒体を使って大々的に出している「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」というメッセージ。白地に赤字で大きなサイズの活字、「DoCoMo2.0」のロゴ、「どんな技を使うかはヒミツ」という思わせぶりなメッセージとセットである。おそらくドコモが某大手広告代理店を使って一生懸命考えた一大広告キャンペーンなのだろうが、長年のドコモユーザーとしては、ちょっとカチンとくる広告である。「そろそろ反撃をしてもいいですか?」というメッセージの裏返して考えると、これまできちんとauの攻勢に対抗してこなかったということであり、いったい何をしていたのかという疑問が沸々と湧き上がってくる。この「ドコモは新しいことをやろうとしている」「今度こそドコモはやってくれるかもしれない」という趣旨のメッセージ、誰に宛てたものなのだろうか?


これは携帯電話市場一般に言えることだが、各社ともシェア争いに一生懸命で、新規顧客を得ること、即ち他社から客を奪うことを戦略の主眼に置いている。既存顧客は、年を経るごとにジワジワと基本料金が下がる料金制度によってロックインされ、月額にして数百円程度の基本料金の差の他にはほとんど恩恵を得ていない。「釣った魚にはエサをやらない」の典型例であるが、市場が成熟してしまった現在、既存顧客こそ大事にしないと今に痛い目に遭うのではないか。