天下り全データ

見出しに惹かれて?つい買ってしまった。今週の週刊ダイヤモンドである。世間的に天下り問題が注目されているとはいえ、こんな見出しで売れるのだろうかと心配になってしまうが、霞が関関係者が通常以上に買ってくれるからよいのだろうか。内容的には、なかなかよく取材してあって、数ヶ月前から準備していた感じ。各省別の天下り先リストと人数が記されており、世の中には色々な天下り先があるもんだと改めて感心してしまった。どんどん天下り先が減っていく中、このようなはめ込みをしなければならない官房長、秘書課長の仕事はなかなか憂鬱だろうなあと思う。


個人的には、天下り先というのは中央省庁自体の新陳代謝を保つために必要なものであり、公務員全員を定年まで霞が関に囲い込むことの方が弊害が大きいと思う。役所は外資系みたいにアップorアウトを当てはめるべき業種でもないし、公務に長年携わっているとつぶしも利かなくなる。何らかの形で真面目に(この「真面目に」の定義が非常に重要である)公務に携わっている人たちの雇用保障をすることで、役人が公務に安心して専念し、モチベーションを保つことができる側面は否定できず、組織の新陳代謝と役人の雇用保障を両立する手段というのは天下り先の維持しかありえない。もちろん、自分で第二の人生を設計しやすい役所・部署にいる人と、そうでない役所・部署にいる人がおり、前者については自分で再就職先を探せと突き放すこともできるが、後者のカテゴリーに属する役人が圧倒的に多いことも事実であり、すべての役人を一緒くたに論じることは間違っている。本来は一人一人がいつ勧奨退職に追い込まれてもよいように個人としての能力を高めておくことなのだろうが(圧倒的に能力が高ければそもそも勧奨退職に追い込まれないが)、そこまでクールに割り切るべき問題でもないだろう。