ビジネスの"常識"を疑え!

遠藤功さんの新書。ビジネスの常識とされていること、たとえば、多品種少量生産は儲からない、POSデータを使えば顧客の動向はつかめる、在庫は少ない方がよいといったこと60テーマについて必ずしも正しくないことを事例を交えて解説している。ズバズバと切り捨てていくところはなかなか爽快な一方、テーマが多すぎるために1テーマごとの中身が若干薄くなっているのが残念。この本を通じて遠藤さんが一番語りたいと思われることが「おわりに」に5つのポイントにまとめられている。(1)貪欲に勉強して、まずは常識を学ぶ、(2)学んだ知識をベースにして、自分の頭で「考える」「判断する」ことを常に意識する、(3)「二次、三次情報」ではなく、自分の五感で集めた「一次情報」を大切にする、(4)データは「事実の一部」にすぎないと理解する、(5)自分の「主観」を最重視するという5つである。特に若いうちはまだまだ経験も自信もなく(2)以下がなかなか実感として理解しにくいが、的を得た大事なアドバイスだと思う。


ビジネスの“常識”を疑え! (PHPビジネス新書)

ビジネスの“常識”を疑え! (PHPビジネス新書)