追伸

1年1冊のペースを守る真保裕一の新作を読んだ。斬新な描写手法を考えたなあと感心させられたが、本一冊丸ごと手紙のやりとりに終始。1冊の本の中に、手紙の書き手が4人登場するのだが、それぞれの手紙の中ではそれぞれの書き手の叙述となっており、会話というものがこの本では存在しない。読み始めてしばらくは、いったいどういう展開になるんだろうと面食らい、とまどったまま少し我慢しながら読むことになるが、ほどなくしてペースがつかめ、本の中に吸い込まれていく。恋愛物かと思いきや、ミステリー的な要素、人間の生き様的な要素も加わり、何ともぜいたくなコンテンツである。真保裕一の本では毎度のことだが、一気に読んでしまった。


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