追伸
1年1冊のペースを守る真保裕一の新作を読んだ。斬新な描写手法を考えたなあと感心させられたが、本一冊丸ごと手紙のやりとりに終始。1冊の本の中に、手紙の書き手が4人登場するのだが、それぞれの手紙の中ではそれぞれの書き手の叙述となっており、会話というものがこの本では存在しない。読み始めてしばらくは、いったいどういう展開になるんだろうと面食らい、とまどったまま少し我慢しながら読むことになるが、ほどなくしてペースがつかめ、本の中に吸い込まれていく。恋愛物かと思いきや、ミステリー的な要素、人間の生き様的な要素も加わり、何ともぜいたくなコンテンツである。真保裕一の本では毎度のことだが、一気に読んでしまった。
- 作者: 真保裕一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (19件) を見る