「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い

前編の「食い逃げされてもバイトは雇うな」で「禁じられた数字<上>」という副題が付いていたので、そのうち下巻が出るのだろうと思っていたが、相当のインターバルをおいてようやく出たのが本書。前編の題名を完全否定する題名の付け方で、平置きの新書を選ぶ潜在読者の関心を引きつけようとしており、自分もそれに引っかかってしまった一人。軽い読み物としてはなかなか面白い。胡散臭い数字の使い方とまともな数字の使い方の峻別、会社の業績見込みを上ぶれなく正確に達成するための期末の無駄遣い、中長期の影響を考慮しない効率化の罠など色々な小ネタの連続である。会計学というよりは、数字に関する物事の考え方に関するよいエントリー書という感じか。