肉を切らせて骨を切る?

日銀総裁の同意人事が混迷を深めているが、今日の午後に武藤さんが総裁候補として正式に国会に提示されたとのこと。与野党の(表面上の)緊張関係が高まっている現状で、あえて挑戦的な人事案を提示したわけだが、なかなかしたたかな戦術に思える。マスコミが言うように、民主党が人事案に同意せずに日銀総裁が空席となった場合、そして更に空席に伴って何らかの不具合が生じた場合の責任を民主党に押しつけられるというのがまず簡単に考えられる。さらに踏み込んで考えると、民主党内でも武藤総裁容認派と反対派が拮抗(現在は反対派の方が力を増している状況か)している状況であり、あえて今回の人事案をぶつけることで民主党に揺さぶりをかけ、党内の動揺・亀裂を誘うことができる。日銀総裁を空席にしてまで民主党が不同意する度胸があるのかどうか、なかなかの見物である。日銀総裁の同意人事にかこつけて国会のサボタージュをうやむやに終息させようとしている時点で馬脚が現れているような気がするが。まあ、どちらに転ぼうと、民主党内に多かれ少なかれ更に不統一感が表れてくるのは必至だろう。

それにしても、武藤さん、すっかり政争の具にされてしまいかわいそう。まあ、このレベルの公人となってしまっては仕方のないことなのか。