「わたり」の話

行革関係で「わたり」を例外的に容認した政令の問題が最近クローズアップされている。要は、天下りは禁止するはずなのに、天下った後に公益法人などを転々と渡り歩くことを例外的にせよ総理の承認で認める道を残すのは何ごとかという話である。たしかに現在全面禁止してしまうと、天下ってしまっているOBのやりくりに支障をきたすことは明らかなので、何とかそういう例外処理の道を残したという努力はよく分かる。しかし、KYなこともまた明らか。以前ある人たちと話していたのだが、誰かに押しつけられて天下りをやめるというのはやらされ感が高まり、ストレスも大きいものだが、自分たちから(少なくとも現在の事務次官全員だけでも)「もう天下りはしません」と先手を打って能動的に天下りを禁止すれば、この問題に関する主導権・主体性を取り戻せるし、現在の役人バッシングも少しは収まるのではないか。いずれにせよ、長年役所に勤めた人が、自分の能力・才覚で役所に依存せずとも生きていけるような自己啓発が一番大切なことは言わずもがなだが。