連続信奉

イチローの連続試合安打記録が27試合で途切れたことが大きなニュースになっている。打率3.5割で4回の打席機会のうち少なくとも1回は安打とするのを27試合続けることが確率論的にいったい何%なのかよく分からないが、とてつもなく低い確率なのだろう。だけれども、それよりもすごいと思うのは今シーズンに入ってから記録が途切れるまで47試合に出場して今日を入れて5試合しか安打の出なかった試合がなかったということ。こちらの方が確率論的には低い確率なのではないか。しかも約半分の試合では複数安打であるところがもっとすごい。

イチローは連続試合安打記録が途切れたことについてちょっと残念な顔をしながらも大して気にしていなかったとのことだが、世間は「連続」という言葉に期待し、どこまで続くのだろうかと胸を躍らせる。なぜこのような連続信奉というものがあるのか結構面白い。大相撲の横綱の連勝しかり、日経平均の連続上昇しかりである。傾向として、連続しても不思議のないもの、かつ二分論(続くか続かないか)で語れるものが、これまでの歴代記録や近年の最長記録に近づいた段階で話題になるようだ。野球でも連続試合安打記録は話題となっても、連続打席安打記録はあまり話題とはならないのは連続させることが本当に至難だからだろう。逆にイチローの連続試合安打記録が大きな話題となるのは、歴代記録を塗り替えてもおかしくないポテンシャルをイチローに感じ、期待するからなのだろう。