裁判員制度開始

前にも書いたと思うが、法学部出身者として裁判員制度は興味を持って見ていた。初の裁判員制度を導入した裁判が始まったということでニュースになっているが、裁判所、検察の双方を巻き込んで相当な準備をしたのだろう。言葉は悪いかもしれないが、論点が明確なとっつきやすいケースを選ぶのにも相当苦労したに違いない。

裁判所のアリバイづくりに過ぎないという批判もあるが、個人的には、この制度に賛成である。一般市民は司法と無関係に一生を終えるのが普通であるが、民主主義の理念からすると、やはり職業裁判官のみで淡々と司法案件を処理するのではなく、市民も何らかの積極的な関わりを持つべきである。このようにある意味強制的に市民を司法参加させる仕組みができたことにより、もしかしたら当初は「何で自分が選ばれなきゃいけないのか」というやらされ感があるのかもしれないが、徐々に日本でも司法に市民が関与するのは当たり前という雰囲気が醸成され、他の「公」分野にも波及していけばすごくいいことだし、そうでなければいけない。現在の裁判員制度も実際に動かしてみていろいろな課題が見えてくるのだろうが、はじめから完璧な制度などなく、そういうのは動かしながら改善していけばよい。