初めて摩天楼の上に

quechee2009-09-13

Nが朝、毎日のようにジムに行っているとのことなので、一緒に行く。彼の部屋と同じ建物の中にYMCAが入っており、「ジムに行こう」と思いついたらすぐに行ける環境。しかも朝6時から開いているとのことで、仕事前に一汗というのも極めて現実的。やはりジムとの距離が通う頻度を決めると思うので、とても羨ましい環境である。それにしても日曜の朝からかなりの混雑で、アメリカ人のジム好きも相当なもの。社会が大量生産・大量消費型なら、個人個人も大量摂取・大量?消費型ということなのか。

午後はわがままを言い、1人で買物がてらマンハッタンに行かせてもらう。メトロポリタン美術館のあたりからレキシントンと5番の間をウロウロしつつ南下しながら歩いた。結構な人出で、スペイン語を話す人たちが目立つ感じ。アジア系は中国人がたくさんいるものの、なかなか日本人はいない。夏休み期間が過ぎてしまったことに加え、もはやニューヨーク人気も下火なのだろうか。途中、ヴァンクリーフ&アーペルで清水の舞台から飛び降りる気持ち(相当な円高でも高い!)で妻へのおみやげを入手、散歩日和の中をグランドセントラルなどを見ながら歩いて行くとあのエンパイアステートビルが目に入った。人混みが嫌いな故、これまでなるべくニューヨークは避けてきた中で、何だかんだで結局7、8回くらいは来てしまっているにも関わらず、エンパイアステートビルには登ったことがなかった。東京で東京タワーになかなか行かないのと一緒だろうか。

天気がいいから眺望もいいんだろうなとふと思いつき、生まれて初めて登ってみることにした。ちょっと計算ミスだったのが、日曜日の、しかも一番人出の多い時間だったということ。これはエンパイアステートビルの策略だと思うのだが、行列がうまく隠されていて、あまり混雑が分からない仕組みになっている。しかも、セキュリティチェックが最初にあり、それを越えてしまうとなかなか脱落できない構造である。一方で展望料は20ドルと安い値段ではない。物理的にロックインしてしまうというのは歌舞伎町的な商売の仕方。結局、合計1時間くらい待ってようやくエレベータにたどり着く。80階まで一本目のエレベータで一気に行けるのだが、そこでまた乗り換えが必要となる。その二本目のエレベータがまた大混雑で、横柄な係員が「並びたくなかったらあとは階段で6階登れ」と叫んでいる。それは「階段で登りなさいと言っているのね」と理解し、そうすることにする。結構急な階段なので、途中でへたれている人もたくさんいるのだが、彼らを横目にようやく86階の展望台に到着。当然ながら展望台もすし詰めと言っていいほどの混雑。よく床が抜けないもんだなとも思う。しかし、苦労して到達した展望台、眺望はやはり素晴らしい。マンハッタン島は当然のことながらその向こうの方までくっきりと見渡すことができる(写真はウォールストリート・ワールドトレードセンター跡地方面で自由の女神が見える)。

夜はN家が好んで行っているという中華街にある小汚い中華料理屋へ。ニューヨークの中華街がこんなにも大きいとは知らなかったが、なぜか料理屋よりも床屋とマッサージ屋が目立つ。小籠包などたらふく食べ、しかも食べきれずに大きなドギーバッグまでもらって3人で60ドルというのはなかなかすごい。腹ごなしに、帰りはあの有名なブルックリン橋を渡り、そしてプロムナードというよく映画で使われるウォール街がブルックリン側から一望できる散歩道をテクテクと1時間ほど歩いて帰還。朝のジム、昼のマンハッタン徘徊、夜の散歩と相当な運動量だと思うが、きっと中華料理で摂取したカロリーと相殺されてしまうのだろう。アメリカ人を大量摂取・大量消費とバカにしている場合ではない。