カッパドキア

quechee2009-09-18

トルコに来る旅行者の訪れる場所の第一位がイスタンブール、第二位がカッパドキアということで、定石どおりカッパドキアへ日帰りで行くことにした。カッパドキアイスタンブールから東へ500キロほど行ったところにあり、陸路だと日帰りが不可なので飛行機で。朝一の飛行機に乗るため、朝5時に起床、まだ暗い街中から乗り慣れた?リムジンバスに乗って空港へ。驚くほどに6時過ぎの空港は賑わっており、いったいトルコ人はどういう生活をしているんだろうと考えさせられる。空港の入口にまずセキュリティチェックがあり、更に搭乗口へ行くのにもう1回セキュリティチェックがあるという意味不明な構造になっているが、いい方に捉えれば二重チェックでハイジャックを予防しているということだろうか。

快適なフライトで1時間ほどでカイセリというカッパドキア訪問の入口となる街の空港に到着。与那国空港のような簡素な空港で、周りにも何もなくうら寂しい。旅行出発前に日本でガイドを手配しており、ちゃんと来てくれるかどうか心配だったが、ちゃんとネームプレートを掲げて迎えてくれた。今日は客が1人しかいないらしく、いんちき日本語を話すガイドと運転手と2人を従えての大名行列と相成った。もっとも、車はくたびれたルノーのセダンだったが。

カッパドキアの名物というと自然の造形美のキノコ岩群だが、今回のツアーでは、キノコ岩群のスポット数カ所に加えて、この地域が産地であるトルコ絨毯の工場、トルコ陶器の工場、トルコ石の販売店にも欲張って回るというコース。自然の浸食作用で長い年月をかけて出来上がったキノコ岩群はもちろん面白いのだが、それよりも、車窓のトルコの田舎の景色が雄大・素朴で印象的だった。キノコ岩も、国立公園ならもうちょっと管理をきちんとすればいいのにと思った。せっかくの自然遺産が結構もったいない状態になっていたりする。まあ、そこまで考える余裕がまだないのもよく分かる。

勉強という意味では、トルコ絨毯の工場が勉強になった。この地域の女性は、伝統的にほとんど全員が絨毯を織ることができるとのことで、嫁入り道具に自分が織った絨毯を持って行くのが慣わしらしい。そして、借金の返済のために売買も盛んに行われているとのこと。絨毯の「格」の簡単な見分け方も教えてもらった。まずは素材。ウールよりもシルクの方がよい。そして一番のポイントは結び目の数。一定の面積について結び目が多ければ多いほど技術が必要となり良い絨毯であるとされる。最後に大きさ。素材と結び目の数が同じであれば大きい方が高い。素材と大きさは触感と見た目で分かるが、結び目の数は絨毯の裏地を見ればよい。もちろん正確な数は分からないが、緻密か粗いかぐらいはすぐに判断できる。最近は手織りのトルコ絨毯が機械織りの中国絨毯に席巻されているらしく、だいぶ困っているとのこと。今治のタオルがやられるのだから、トルコの絨毯がやられるのも納得である。

それにしても、どこの工場、販売店へ行っても皆さん流ちょうに日本語を話していたが、アンカラの大学などでは日本語は人気のある第二外国語とのこと。英語は第一外国語なので別として、フランス語、ドイツ語の次くらいのポジショニングらしい。日本のODAが多いなど日本関連のビジネスが多い、そして日本の製品が多いのと、アジアからの観光客では日本人が抜きん出て多く日本に対して親しみを持つトルコ人が多いからとか。理由は何であれ日本に対して親しみを持ち日本語を勉強してくれるのはありがたいことである。

カイセリからの最終便で22時過ぎにイスタンブールの空港に無事に帰還。長い一日だった。