パリでラーメンにありつく

quechee2009-09-21

当初予定していたオルセーが休館日ということで、コンティンジェンシー・プランとしてまずは印象派関係ではNo2のオランジュリーへ行くことにする。ルーブルやオルセーと比べるとだいぶ規模の小さな美術館だが、モネの睡蓮と、それを飾るためにモネ自身が設計したとされる2つの展示室が有名である。ここもやはり日本人が多い。歩けば日本人にぶつかるという感じ。入場料を払ってさっそくウリであるモネの睡蓮の展示室へ。ほぼ360度すべて睡蓮、しかもそれが2部屋というのはなかなか圧巻である。しかししかし、個人的に気に入ったのはその睡蓮ではなく個別展示のルノワール。オルセー以上にルノワールが充実しているのではないか。晩年のモネはタッチが抽象すぎてちょっと付いていけない感じがするのだが、ここにあるルノワールはいかにもルノワールといういい作品が揃っている。ルノワールというと裸婦というイメージがあるが、ここにあるルノワール静物画と普通の人物画がほとんどで、独特の柔らかいタッチで仕上げている。日本で時々開催されるルノワール展で展示される絵がいかに少なく、質的にも劣るものであるかということを実感。個人的に好きなセザンヌも数枚展示されていたが、こちらはオルセーの方がよいコレクションである。いずれにせよ、期待値を悠々と超えてくれる美術館であった。

オランジュリーを見終わった後、ルーブルへ行くかオペラ座界隈を徘徊するかという2つのオプションがあったが、迷わず後者を選択。ルーブルは宗教画が多く、あまり好きではない。反面、カルチェラタンやモンマルトルなどに比べてオペラ座界隈はまだ攻略が浅かったので、制圧範囲を広げるために侵攻を決断した。オペラ座界隈は買物スポットであるとともに、日本関係の店も多いことで知られている。ラファイエット、プランタンというお約束の二大デパートをチラ見した後、ジュンク堂ブックオフというパリにある日本の二大書店も制覇。帰りの飛行機で読む本が心許なかったので、高いにも関わらずつい買ってしまった。それにしても日経新聞が4.5ユーロというのは高すぎるのではないか(もちろん買わなかったが)。

ブックオフの向かいにラーメン屋があったので、久しく日本食を食べてないなあと思い、フラフラと吸い寄せられた。メンマラーメンが8ユーロとまあまあの値段である。味は、スープがちょっと甘い(何でだろう)のが気になったが、外国で食べるラーメンとすれば極めて普通の味。なお、この店、時間帯のせいなのかもしれないが、他に日本人の姿はなく外国人ばかり。器用に箸を使ってラーメンや餃子を食べている。寿司や天ぷらではなく、ラーメンや餃子を食べている段階で相当な日本食好きのような気もするが、フランスで日本食の地位というのは結構高いのだろうか。まあ、比べるのも失礼かもしれないが、フランス人がアメリカ人よりも舌が肥えているのは事実である。

夜は昨晩とは違う大衆食堂へ。こちらは相席なく、英語のメニューもあり、期待していた?昨晩のようなサプライズはなかった。味はまあまあだが、雰囲気混みで昨晩の「シャルティエ」に軍配を上げたい。